青色申告とは

わが国の法人税は、税金の計算や確定の方法に関して「申告納税」という制度を採用しています。すなわち、お上が納める税金を決めるのではなく、自分で計算して税務署に申告し、その申告に基づいて自ら納税するのです。
これは紳士的で民主的な大変素晴らしい制度ですが、申告する段階では他人が関与することがないので、悪意があれば脱税など簡単にできてしまいます。なぜなら利益は計算の結果として算出される抽象的な概念で、目に見えるものではないから、計算をごまかすことなどたやすいことです。
つまり申告納税は、国民の高いモラルを前提としこれに期待する制度ですが、そのままに放置すればやはり不公平・不公正が生じてしまうでしょう。こうした不安に対処するために税務署という役所が目を光らせているのです。国民は税務署が調査にきたらこれを受忍しなければならない、と法律に規定されているのです。
しかし、いくら優秀な税務署員でも、会社がどうやって利益を計算したのか、その記録を残していなければ計算の誤りや故意による脱税を指摘しようがありません。つまり公平で公正な申告納税制度を維持するためには、国民がみな帳簿を備え、取引きを適正に記録して、これに基づき所得金額を算出し、しかもその記録を保存して後日チェックできる体制を整えていることが必要になります。
このような観点から、国民に記帳慣習を浸透させるためのシステムとして、第二次大戦後のシャープ勧告により青色申告という制度が導入されました。すなわち帳簿を備えてこれに取引を記録し保存している会社は、それ以外の者と区別するために青色の用紙で申告書を提出することとし、その条件を満たした会社には税制上さまざまな特典を与える、というものです。まさしく「アメ」と「ムチ」をセットにした制度といえるでしょう。

青色申告の承認申請

青色申告は、会社があらかじめその適用を受ける旨の申請をした場合に限り適用されます。すなわち青色申告の適用を受けようとする法人は、その適用を受けようとする事業年度の開始の日の前日までに、また新規設立の場合には設立後3ヶ月を経過した日とその事業年度終了の日とのいずれか早い日のぜんじつまでに、それぞれ「青色申告の承認申請書」という書類を所轄税務署長に提出します。そしてその対象となる事業年度の末日までに税務署から何の通知もなけれが、その日において承認があったものとみなされます。
通常、特別のことがない限り税務署からの通知はないので、会社を設立らとにかく3ヶ月以内または期末までに青色申告の承認申請をすれば、設立第1期目から自動的にその適用がうけらるのです。

青色申告法人の義務

青色申告の適用を受ける法人は、帳簿書類を備え付けて、これに取引を記録し、その帳簿書類を最低7年間は保存しなければなりません。
帳簿の形式に関する法律の規定はないので、それぞれの会社の実情に即したものを利用することができます。具体的には、複式簿記の原理に基づき、総勘定元帳、売上帳、仕入帳、金銭出納帳、銀行勘定出納帳、受取手形帳、支払手形帳、固定資産台帳などを記帳することになります。また決算に際して作成した棚卸表、期中の取引について取引相手から受け取った契約書、領収書、請求書なども保存すべき書類に含まれます。

青色申告の特典

青色申告の承認を受けた法人は、税制上さまざまな特典の適用が受けられます。代表的な特典には次のようなものがあります。
・法人税額の特別控除
・欠損金の繰越控除
・特別償却・割増償却

繰り越せる赤字

会社とは元来、利益を上げるために存在する組織です。赤字が継続すれば、いずれ資金が枯渇し社会の信用をなくてし倒産します。したがって、いかに赤字を出さないかが経営者の重要なテーマですが、税金に関しては赤字は一種の貯金ともいえます。
例えば、今期500万円の利益が出たとしましょう。通常であれば、住民税を含めて200万円前後の税負担は覚悟しなければなりませんが、その会社が青色申告をしており、かつ前期に欠損金が500万円生じていたとすれば、欠損金の繰越により利益はゼロ。したがって所得に対する納税は一切しなくて済むことになります。
会社設立当初、事業が軌道に乗るまでの間はどうしても赤字が出やすいですね。青色申告の特典を上手に利用して、赤字を有効活用したいものです。

青色申告